ike002 of Liferbird

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by 水野大樹

シダ植物は見分けるのがむずかしいと思っている人は多いのではないでしょうか。確かに、どれも形がよく似ているうえ、花を咲かせないので見分けるのにはちょっとしたコツが必要です。しかし、似たような形態をもつシダ植物でも、生えている場所が違ったり、胞子のつけ方が微妙に違ったりと、様々な暮らしぶりを見ることができます。

シダ植物と同じく、見分けるのが難しい植物の分類群に、コケ植物があります。コケ植物は植物体が非常に小さいため、シダ植物よりもさらに見分けるのが困難です。そのため、多くの人はコケのような生き物を、コケ植物ではないにもかかわらずコケと呼んでいることも珍しくありません。

今回は、この見分けにくいことで有名な「シダ」と「コケ」についてお話いたします。ジメジメとした暗い場所に多く生えているイメージのあるシダ植物やコケ植物。しかし、実際には皆さんの身近な場所にたくさんのシダやコケが暮らしています。「シダ」と「コケ」の暮らしぶりが少しわかることで、今まで着目しなかったミクロの森林の世界をのぞくことができます。なんと、あるシダ植物は自分よりもはるかに小さいコケ植物に支えられて生きているというのです。

今回のサイエンスカフェでは、シダやコケがよくわからない方にも、ミクロの森林をのぞけるようになっていただければ幸いです。シダとコケの基本的な生活に関するお話のほかにも、ちょっと専門的な、コケに支えられながら生きるシダのお話まで、幅広くお話しいたします。

日時:6月30日(土)11:30~13:00(終了しました
費用:600円(コーヒー付き)
会場:Lamp(喫茶店)豊島区西池袋 4-2-13 1F
http://www.246.ne.jp/~umi/weblampaccess.html

定員になり次第,受付を終了とさせて頂く場合がございますので,
参加をご希望の方は事前に予約して頂く事をお勧めいたします.
予約連絡先:info★liferbird.com (★を@に変えてください)

概要

今回のサイエンスカフェでは、難しいと思われがちなシダ植物やコケ植物について、その生活や人々の利用方法など、できるだけ皆さんが親しみやすい内容を中心にお話をさせていただきました。

話の後半では、乾燥した崖に生育するシダ植物の定着がコケ植物によって促進されるという、研究の内容について解説させていただきました。一般的に乾燥した場所ではシダ植物の生育は困難ですが、コケ植物があることで地表面からの蒸発が抑えられるため、湿潤な環境が確保され定着しやすくなる可能性が示唆されています。また、コケ植物群落の入り組んだ構造にシダの胞子が引っ掛かることで、急峻な崖でも定着しやすくなることも考えられます。これらはまだ研究途中であり、なぜコケ植物群落の中でシダ植物が多く定着できるのかは未解明な点が多いため、今後も継続して調査研究を行っていきたいと思います。

語り手から

会場の大きさも丁度よく、皆さんと一体になってお話をすることができました。シダ植物はあまり詳しくは知らないという方が多かったのですが、高校などの授業ではあまりシダ植物やコケ植物に時間を割く機会はないので、シダ植物やコケ植物について親しむよい機会になっていただけたのではなかったのでしょうか。ただ、植物を専門としている参加者の方には、少し簡単過ぎる内容となってしまったかもしれません。今後は、もう少し踏み込んで研究内容についてもお話できればと思いました。また、話の時間を多くとってしまい、皆さんからの質問の時間が少なくなってしまったことも今後、改善していきたいと思います。

参加者の声

  • 毎回お話して下さる方は違うのに皆さんお話が上手でわかりやすいです.今回も来て良かったです!
  • 下(地面)をみるようにしたいです.
  • たのしかったです!

スタッフより

今回はシダや、コケといった身近なところにたくさんあるものだけど、ほとんど気にしていない植物をテーマに千葉大学で活躍されている水野さんを招いて講演して頂きました.

高校の生物でもシダやコケについては触れてはいるものの、時が経つとなるとほとんど覚えていないのが正直なところでしたが、改めて知るととても魅力的な植物である事を感じました.高校の生物と違って、専門用語などを覚えなければいけないわけでもないので気軽に聞けた事と、なにより水野さんのわかりやすい講演と熱意が、興味を湧かせたのだと思います.

今回は初めて「実物」を使用したカフェとなりました.鳥ではどうしても本物を持ち込む事が難しいのですが、やはり「実物」があると、全然違うなと思いました.今後もチャンスがあれば「体験できる」カフェも企画したいと思います.

アンケート結果(有効回答数8名)

  • 1. また参加したいと思いますか.
    • 予定があえば参加したい:6名、内容による:2名、毎回参加したいor参加したくない:0名
  • 2. 発表者の話はわかりやすかったですか.
    • 非常にわかりやすい:5名、わかりやすい:3名、わかりにくいor非常にわかりにくい:0名
  • 3. 話の内容のレベルはどうでしたか.
    • 簡単すぎる:1名、ちょうどいい:7名、やや難しいor非常に難しい:0名
  • 4. 料金は適正でしたか.
    • 安い:2名、適正:6名

今回は聞き手も外部から招いておこないました.福島さん、ありがとうございました.次回の池カフェは8月にほ乳類のお話をして頂く予定です.乞うご期待!