bird011 of Liferbird

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by 中原亨・加藤貴大

豪雪、強風、低温・・・。北国の環境は想像以上に厳しい。

そんな北国で30年ほど前に突然生息が確認され、個体数を増加させている鳥がいる。カササギである。元々、カササギは日本では九州にしか生息していなかった。何故北海道で急速に広まっているのだろうか。

一方、昔から北国で生命の営みを繰り返している鳥、アリスイの生態は、未だに謎に包まれている。

今カフェでは、カササギの新天地への挑戦、アリスイの知られざる生態について紹介する。

日時:2月16日(土)11:30~13:00(終了しました
費用:600円(コーヒー付き)
会場:Lamp(喫茶店)豊島区西池袋 4-2-13 1F
http://www.246.ne.jp/~umi/weblampaccess.html

定員になり次第,受付を終了とさせて頂く場合がございますので,
参加をご希望の方は事前に予約して頂く事をお勧めいたします.
予約連絡先:info★liferbird.com (★を@に変えてください)


概要

カササギ

カササギは世界的にはメジャーな鳥。しかし、日本では佐賀周辺にしかいなかった。魏志倭人伝には日本にはカササギはいないと書かれているのに、江戸時代くらいから九州の記録が急増。実は、16世紀末、秀吉の朝鮮出兵の頃に日本に持ち込まれたらしい。
現在では佐賀県では県鳥、天然記念物として親しまれている。そして、九州では約400年間、分布を広げることなく個体群が維持されてきた。

しかし近年、カササギの繁殖が北海道で確認された。特に苫小牧市では、徐々に個体数を増やしながら分布拡大中である。どこから来たかはまだわからない。どうやって増えているかもわからない。そこで、増えるのに重要なポイントとなる営巣場所選択について調べた。

カササギは大規模な森林を避け、市街地の多いエリアを営巣環境として選んでいた。さらに、選んだ場所の周辺では、木の本数が多いパッチを好み、その中で最も高い木に営巣していた。選んだ場所に巣をつくるのに適当な樹木がない時は、鉄塔などの人工物に巣を作っていた。これらの結果は、カササギは、営巣場所の選択にある程度の好みはあるものの、意外とどんなところにも巣を作ることができそうだということを示している。

カササギが増加・拡大しているのは、どのようなところにも巣を作れる適応力があるからかもしれない。カササギの増加・拡大には、ほかにも、餌資源の確保のしやすさや天敵の数も影響しているかもしれない。

最近は九州では佐賀→福岡へ、北海道では苫小牧→札幌へと進出している。

今後どうなるか気になるところだ!

アリスイ

アリスイはキツツキ科の鳥です。しかし、その生態はあまりキツツキらしくないかもしれません。キツツキと言えば、自分で木に巣穴を掘ったり、木を突く音で求愛したりする姿を思い浮かべることが多いと思いますが、アリスイはそのような事をしません。一見すると地味な色をした目立たない鳥ですが、キツツキどころか、他の鳥にはない独特の生態を持っています。例えば、蟻ばかり捕食することです。長い舌を使って蟻を食べる姿は「アリスイ」の名前の由来となっています。他にも、蛇のように首を振って捕食者を追い払う行動も知られています。ヨーロッパではクネクネと首を動かす奇妙な仕草を買われて、黒魔術にも使われていたそうです。

そんなアリスイについて調べてみると、ヨーロッパでは個体数が減っていて、生息場所や個体数調査などの保全研究が中心に行われているようです。ところが日本国内では、アリスイの生態調査はほとんど行われておらず、卵の数や巣立つ雛の数もよく分かっていませんでした。そこで演者はアリスイの繁殖生態を明らかにするため、巣箱調査を始めました。

アリスイの巣箱観察を続けるうちに、アリスイの変わった生態が見えてきました。キツツキの仲間と比べて卵の数が多く、卵を温める日数が短いようです。もしかしたら、巣穴を掘らない、蟻ばかり食べるなどの、アリスイ独特の生態が関係しているのかもしれません。巣を防衛する行動についても、単に首を振るだけではなさそうです。

アリスイは奇妙で謎の多い鳥ですが、だからこそ魅力的な鳥でもあります。彼らの生活を知るために、これからも調査を続けたいと思います。

語り手より

中原亨

  • 研究者以外に向かって講演するのは初めての経験で少し緊張していましたが、みなさん興味津々に聞いてくださっていて、私も安心して話すことができました。
  • カフェという空間や、聴衆と演者が近いというシチュエーションを活かして、聴衆とのやり取りができたことも新鮮でした。カササギを見たことある人ー?という質問に多くの方々が手を挙げていたのは意外でした。海外で見たのを覚えている方もいらっしゃって、さすがみなさん鳥好きだなーと思いました。
  • 鳥の面白さ・奥深さを直接研究者から聞くことのできる機会はめったにありません。そんな中で、鳥のサイエンスカフェという試みは非常に貴重だと思います。鳥の話が身近に聞ける素敵な空間の提供を、これからも続けてほしいです。機会があれば、私もまた協力したいと思います。来てくださった皆さん、Liferbirdスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。

加藤貴大

  • とても緊張しました。自分の研究を30分以上も話すのは初めてでしたし、ちゃんと内容を伝えることができているか、ずっと心配だったからです。発表用のスライド作りから発表の最中まで、発表の構成、表現の難しさを感じていました。しかし、難しさだけでなく、楽しさを感じることもありました。ご来場下さった方の中にはアリスイをよく観察している方もいらっしゃり、いろいろとお話を聞くことがでたことです。これは語り手と聞き手の距離が近いサイエンスカフェならではのことだと思います。
  • お話を聞いて下さった皆様が私と同じように、知識を共有する楽しさを感じるような発表ができていれば幸いです。お話を聞いて下さった皆様と、このような機会を提供して下さったライファーバードの方々に、深く感謝致します。ありがとうございました。

参加者の声

  • とっつきやすい内容でわかりやすく楽しめました.2人体制も思ったより聞きごたえがあり良かったです.また来ます!
  • あまりよく知らないアリスイという鳥のことがよくわかって面白かったです.
  • HP,ブログがあったら活動をチェックしやすいのですが..
  • 皆様とても熱心ですばらしいと思いました.準備など大変とは思いますがどうぞ長く長く続けて下さい.
  • アリスイという鳥を初めて知りました.首を振る動作は少し気持ち悪いですね.ヒナの写真とても興味深かったです.アリしか食べないなんて不思議です.よく見ると可愛い鳥ですね.カササギは知っていましたが巣の事はしりませんでした.面白かったです.営巣場所の事とか.凶鳥と吉鳥として2つの話を同時に聞けた事が面白かったです.
  • コーヒーを飲みながらが気楽で良かったです.
  • 親しみやすい雰囲気で気軽に楽しめました.

スタッフより

第11回鳥のサイエンスカフェ,大入り満員でした.足を運んで頂いた方々、ありがとうございました.今回は初めての2本立てという事で準備段階から時間配分や二つの内容の関連性を見つけるなど色々と難しく,当日も心配が尽きませんでしたが,無事に終わってホッとしております.

また,アンケートにご協力頂きありがとうございました.皆様からの温かいお言葉が次回への励みになります.

  • また参加したいと思いますか。
    • 1.毎回参加したい 1名
    • 2.予定が合えば参加したい 13名
    • 3.内容による 0名
    • 4.参加したくない 0名
  • 料金は適正だと思いますか。
    • 1.安い 5名
    • 2.適正 8名
    • 3.高い 0名
  • 発表者の話はわかりやすかったですか。
    • 1.非常にわかりやすい 7名
    • 2.わかりやすい 7名
    • 3.わかりにくい 0名
    • 4.非常にわかりにくい 0名
  • 話のレベルはどうでしたか。
    • 1.簡単すぎる 1名
    • 2.ちょうどいい 12名
    • 3.やや難しい 0名
    • 4.非常に難しい 0名

次回はジュウイチのお話です.どしどしご参加ください!

サボり気味の池袋サイエンスカフェの準備も進めています.こちらも今まで生き物のテーマをおこなってきましたが,天文や楽器などに関連した科学も紹介する予定です!