bird003 of Liferbird

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by 高橋雅雄

オオセッカ(大雪加:Japanese Marsh Warbler)は体長13cm・体重13gほどの小鳥で、河川敷や湖畔のヨシ原や草原に棲んでいます。全身茶色で、背中の黒い斑点模様が特徴です。東アジア(中国と日本)のごく一部でしか見られず、その数も少ない珍しい鳥です。そのため、世界的に絶滅が心配されています。日本ではたった3000羽が、3地域(青森県津軽地方、青森県南部地方、北関東利根川流域)に分かれて繁殖しています。彼らは渡り鳥で、青森県のオオセッカは北関東へ、利根川流域のオオセッカは東海地方へ渡って冬を越します。

彼らの暮らしは、絶滅が心配される多くの鳥たち(トキやツル類など)と同じく、人間活動に支えられています。繁殖に必要不可欠な草原は、数年で構造が劇的に変化し、消失してしまう不安定な環境です。そのため、人為的な野火や草刈り、水管理によって辛くも維持されています。数年間耕作されず草原化した水田(休耕田)も同様に管理されており、重要な繁殖環境となっています。特に青森県南部地方のオオセッカは、そのような農業環境に多く棲んでいます。そのため、これまでの保護活動は、特に農業関係者との軋轢の中で進められました。今では、保全を目指すボランティアの努力と農業関係者の理解が実を結び、日本最大の繁殖地である青森県三沢市の仏沼は、ラムサール条約の登録湿地として国際的に保全されることになりました。日本での野生生物保護や環境保全の成功例です。

このように保護活動が進んだ青森県南部地方のオオセッカでしたが、最近は東日本大震災の被害が心配されています。彼らは渡りの時に東北地方の沿岸を通過し、その途中で、三陸沿岸に点在する小さなヨシ原や草原で休憩・栄養補給をします。東日本大震災の地震と津波は、そのような中継地を根こそぎ破壊しました。よって、休憩や栄養補給が不足することで、多くのオオセッカが死んでしまう危険性があります。東日本大震災は、東北地方で生活していた人々だけではなく、そこに棲む多くの野生生物にも、大きく傷痕を残しています。

日時:6月2日(土)11:30~13:00(終了しました
費用:600円(コーヒー付き)
会場:Lamp(喫茶店)豊島区西池袋 4-2-13 1F
http://www.246.ne.jp/~umi/weblampaccess.html

定員になり次第,受付を終了とさせて頂く場合がございますので,
参加をご希望の方は事前に予約して頂く事をお勧めいたします.
予約連絡先:info★liferbird.com (★を@に変えてください)

概要

はじめにオオセッカが発見されてから現在までの歴史や生態などを紹介.オオセッカが局地的な場所にしか生息していない理由なども講演者の研究を含めてわかりやすく説明.最後に大震災がオオセッカに与えた影響や今後の影響の予測などを紹介.

語り手から

  • 非常に話しやすかった.開場の雰囲気もよかったです.これから青森に行って頑張ってカウント調査してきます.また,冬には被災地(宮城)も調査に行く予定です.これらの調査結果もいずれご報告できればと思います.

参加者の声

  • わかりやすくておもしろかったです.鳥なのに飛ぶのが下手だなんてかわいいなあと思いました.
  • 話が非常に分かりやすくて,話の内容,スピード他,とても聞きやすかった.
  • とてもくつろいだふんいきで参加できたのであっという間に時間がすぎました.音楽と飲み物があるととてもいいですね.オオセッカのことをよく知りませんでしたが,今回のお話で好きになりました.
  • とてもわかりやすかったです!この機会に知れてよかったです.会場の雰囲気もよくて,リラックスしてお話を聞く事が出来ました.^_^

スタッフより

今回もたくさんの方にご来場いただきました.ありがとうございました.3回目という事でスタッフ一同,大分慣れてきたと思います.私自身も今回初めてリラックスして話を聞く事ができました.

今回もアンケートを実施させていただきました.アンケート結果の一部は下記の通りです(有効回答数 7名).

  • 1. また参加したいと思いますか.
    • 毎回参加したい:0名
    • 予定が合えば:7名
    • 内容による:0名
    • 参加したくない:0名
  • 2. 発表者の話はわかりやすかったですか.
    • 非常にわかりやすい:5名
    • わかりやすい:2名
    • わかりにくい:0名
    • 非常にわかりにくい:0名
  • 3. 話の内容のレベルはどうでしたか.
    • 簡単すぎる:0名
    • ちょうどいい:7名
    • やや難しい:0名
    • 非常に難しい:0名
  • 4. 料金は適正でしたか.
    • 安い:2名
    • 適正:5名
    • 高い:0名

発表後には恒例となりつつある、昼食会をLampで食べました.今回も様々な方に参加して頂き,話が盛り上がりました.

次回は7月22日(日)第4回鳥のサイエンスカフェ『スズメ研究のススメ』です.乞うご期待!