kagu of Liferbird

HOME > kagu



カグーシンポジウム
~ ニューカレドニアの鳥類の生態と保全の現状 ~

みなさんはカグーという鳥を知っていますか?
カグーが南の国でどんな風に暮らしているか知っていますか?
彼らの生活に日本人が関わっていることを知っていますか?

午前の部 (実務者会議)

*参加希望の方は別途ご連絡ください
連絡先:kagu★liferbird.com (★を@に変えてください)

  1. ニッケル採掘が生態系に与える影響について
    • 中島 謙一 氏
      • 博士(工学)
      • 国立環境研究所 資源・循環廃棄物センター 主任研究員
  2. カグーの重金属(特にニッケル)適応に関する研究
    • 渡邊 泉 氏
      • 博士(農学)
      • 東京農工大学 農学部 准教授

午後の部 (一般向けシンポジウム)

  1. はじめに
    • 北村 亘
      • 博士(農学)
      • Liferbird 代表
  2. ニューカレドニア 生物多様性ホットスポットとカグー
    • 岡久 雄二
      • 立教大学大学院 理学研究科
      • Liferbird 主任研究員
      • 日本学術振興会 特別研究員
  3. 国内におけるカグーの飼育と繁殖の試み
    • 白石 利郎
      • 横浜市繁殖センター
  4. ニューカレドニアにおける研究と保全活動
    • Jörn Theuerkauf
      • dr hab. (理学博士)
      • ポーランド科学アカデミー 准教授
  5. 総合討論
    • 上田 恵介
    • 岡久 雄二
    • 中島 謙一
    • Jörn Theuerkauf
    • 白石 利郎
    • 渡邊 泉
    • 司会進行:北村亘
  6. おわりに
    • 上田 恵介
      • 理学博士
      • 立教大学 理学部 教授



 蒸し暑い熱帯雨林のなかを歩いていると,突然,目の前に現れたカグー.薄いグレーの羽根に覆われた全身,スラっとした立ち姿で,こちらを気にしつつも悠然と餌をついばむその姿は,どこか神々しく,森の精や,山の神様の使いに出会った,ついそんな気分にさせられてしまいます.カグーRhynochetos jubatusは南太平洋の島国,ニューカレドニアだけに生息している“飛べない鳥”で,絶滅が危惧されており,ワシントン条約によっても厳格に保護されている鳥の一種です.今回,私たちLiferbirdはこのカグーを緒に,私たち人間,自然,そして地球の未来について考えてみようという主旨でこのシンポジウムを開催することにしました.

 カグーを生み出したニューカレドニアは,生息する植物だけでもその70%以上が固有種という,世界でも有数の生物多様性ホットスポットとして知られています.その一方で,100年以上も続いている過剰な環境利用のせいで,“種の絶滅ホットスポット”となってしまっていることも紛れのない事実です.しかし,そのような自然破壊は実は私たちの生活と深い関係にあるのです.鍵となっているのは“ニッケル”です.ニッケルは鉄に似た金属ですが,50円・100円硬貨に始まり,ステンレス鋼や電池の原料であり,炊飯器・テレビ・エアコン,スマホ・パソコン・自動車などなどなど,私たちが日々使う電化製品には必ずと言って良いほど使われている鉱物資源です.つまり,ニッケルなくして現在の我々の生活は成立しないのです.そして,ニューカレドニアはその大きさは四国ほどですが,ニッケル埋蔵量は世界有数であり,日本でもニューカレドニア産のニッケル鉱石等を使用しています.ニッケルの採掘は山を切り開いて行われます.つまり,私たちの生活は失われた“カグーの棲む森”を代償に成り立って いるといっても過言ではないのです.

 一方,カグーはカグーでその長い進化の歴史を通し,ニッケルと深く関わってきたのは間違いないで しょう.飛べない鳥であるカグーは,餌を必ず地面で食べます.とくにその好物はミミズで,鉄やニッケルなどを多く含んだ赤土の中からミミズを引っ張りだして食べ,また我が子に餌として与えます.一生の間,恐らく大量のニッケルを摂取しているのは間違いないでしょう.そして何百万年もの間,ずっとそれで生き てきたのです.実は人間も含め,全ての動物はニッケルなしには生きていけません.しかし,体が必要としているニッケルの量はほんのわずかであり,摂取しすぎると病気になってしまいます.飛べないカグーがニューカレドニアで生きていく,そこにはニッケルをうまく対処する秘訣があるに違いありません.

 どうすれば人と自然はうまく共生できるのか,森の中でこちらをじっと見つめるカグーの赤い目は,そんな問いをわたしたちに突きつけている気がしてなりませ ん.当シンポジウムでは“カグー”と“ニッケル”をキーワードに,みなさんと一緒に自然との共生をどのように実現するのか考える,そんな場を提供したいと考えています.

掲載していた内容に不備がありましたので,一部修正して再掲しております(2013. 9. 17.)。

実行委員長
佐藤望
事務局長
藤間貴士
広報担当
田中啓太
ポスター担当
岡久雄二、一方井裕子
印刷物担当
菅原鮎実
スタッフ
阿部仁美、小島みずき、遠藤幸子、大庭弘毅